読書大国日本と日本語

 日本は、千年前に清少納言の「枕草子」と紫式部の「源氏物語」の文学作品が書かれて、読まれていたが、江戸時代には、すでに識字率が最も高く、多くの書物が発行されて、読まれていた。
 新聞も米国の半分の人口の日本の方が発行部数が多く、日本人の読書量が異常に多いが、このことは、日本語と深く関係している。
 隣の韓国は、漢字を放棄して、表音文字のハングルに制限したことで同音異義の言葉が、漢字では区別できたが、同じ発音の場合、区別が文章からしか判別できないことになり、意味が伝わらなくなって、読書が極端に少なくなってしまった。
 文章が、不正確になると高度なことが要求される科学技術に合わなくて、間違った部品を発注して、大きな損失を被ったりすることになる。
 この点、ラテン語の英語は、造語力が優れているために同音異義の言葉を防止でき、口語でも正確な伝達が可能になって、最も科学技術に適応した言語になって、世界の標準語になることができた。

 日本語は、表意文字(表語文字)の漢字と表音文字(音節文字)の平仮名と片仮名で構成される世界で最も読みやすい言語である。
 日本語の利点は、
 ①表意文字の漢字によって、視覚で意味が理解できる。
 ②接続詞、助詞など平仮名で表示することによって、読みやすくなっている。
 ③英語などの動植物名などを片仮名で表示することによって、科学技術の対応が可能になった。
 欠点は、
 ①当用漢字・常用漢字でさえ2千字弱あり、読み方が音と訓読みが複数あり、覚えるのが大変。
 ②漢字の同音異語がいっぱいあるために会話では、誤解されることが起きる。
 ③造語力が英語より弱く、科学技術の分野では、英語でないと通じない。
憶える漢字が多くて、尚且つ複雑で、人名など同じ漢字でも人によって、異なる読み方をするために、正確に読むことが不可能になっている。

 当然、同音意義の漢字がいっぱい有るために発音だけでは複数ある漢字のどれかを文脈から判断することになるが、話し手の漢字と聴き手の漢字が異なる場合が生じて、誤解を招くことがある。当然聴き手が、疑問に思えば、聞き返すことになる。稲の根「株」と株式会社の「株」取引は、同じ漢字でも子供の時には、理解できなかった。
 逆に書物を読む時は、表意文字の漢字によって、会話よりは正確に意味が伝わる。もちろん書き手が理解している漢字と読み手が理解している漢字の意味が同じでないと正確に伝わらないが、漢字の意味を完全に理解していない人もいるために言い方、書き方を変えたりして、何度も同じこと伝えようとする。
 話し手、または書き手の伝えたいことを言葉に変えて伝えるために、会話の場合は、身振り手振り、顔の表情も加わり、相手に受け止められ、書き手の場合は、対象者を考慮して、書かないと上手く伝えることができない。同じ文章でも、受取側の人によって、理解度が異なるし、人によっては、誤解する人も出てくる。

 このように漢字の欠点と利点を利用して、憶える漢字を少なくして、造語能力を片仮名によって、英語名をそのまま、発音に近いように用いて対応した。もちろん、科学技術の分野では、a,b,c・・・、α,β,γ・・・など、記号としてもそのまま、用いられている。
 
 以上のように日本語の書物は、表意文字(表語文字の漢字)と表音文字で構成されているために、読みやすくて、日本が世界一の読書大国に江戸時代からなっていた一因でもある。
 これは、ひょうおんもじのひらがなでかいたぶんしょうがいかによみづらく、どうおんいぎごによって、いみがりかいできなくなって、よみづらいかよくわかる。(平仮名表示)
 もちろん漢字を少なくとも2千語程度憶える必要があるが、一度、憶えれば、読書がマンガを読むように頭の中に場面が映し出されてくるように理解しやすくなる。もちろん文章で書いた小説よりもマンガの方が、さらに映像化されているためにより理解しやすい。
 このように文化の基でもある日本語が、表意文字の漢字と表音文字の平仮名及び片仮名の3種類もの言語をうまく組み合わせて、科学技術にも対応している。さらにラテン語を数式や化学記号にそのまま流用して、対応している言語は、日本語だけである。
 この日本語のおかげで、世界中の書物が日本語に翻訳され、もちろん国内でも多くの書物が発行されて、個々人の興味に応じて、書物から知識を得ることができる。
 これは、卒業しても読書を通じて、生涯、自分で勉強することができる。もちろんマンガや動画がネットで見られる時代になったが、言語ほど正確に情報を伝えることはできない。TVでも音声を文字にして表示して、わかりやすくしている。
 ただし、当用漢字以外に多くの漢字が古い時代に用いられてきたために、難しい漢字がいっぱい有るために総理大臣でも読めない漢字があると、暗記の得意な知識人が、首相をバカにして、優越感に浸っていたが、漢字を完璧に読める人など専門家でも、ほとんどいない。
 古代中華の科挙のように40万字もの漢字を暗記するために一生を終えてしまう人もいた。言語は、人々の情報の交換のためにあるので、憶えるために長期間要していたのでは、本末転倒であり、中華のように一部の支配階級の言語に成り下がってしまって、知識の活用ができずに文化の停滞した国になってしまう。
 今は、ネットや携帯でメールする時代なので、漢字を読むことができれば、漢字変換で表示できるために完璧に書けなくてもいい時代になってきた。
 現代は、漢字を憶えるのにそれほど時間を割ける時代ではなくて、他に憶えることが山ほどある。
 専門書など、いろいろの書物を読んで行くうちに漢字を憶えていくのがいい。
 日本が、明治の開国後、数十年で先進国になることができた要因に日本語によって、西欧の文化、科学技術などの知識が国民に読書を通じて、浸透していった。
 現在も日本が、最も読書量の多い国であることが、日本の発展に大きく貢献している。表音文字(音節文字)の平仮名、片仮名でさえも、母音以外は、か=ka,き=ki,く=ku・・・とラテン語(音素文字)では2音素で表示するために、日本語のほうが読みやすくなっている。
 ただし、造語力は、ラテン語が桁違いに簡単であるために動植物名でさえ、数百万もあるので名前を漢字で付けることは、不可能であるが、ラテン語は、可能であった。
 表音文字だけの英語などは、文字数が長くなってしまうが、表意文字の漢字は、同音異義が多いが、文字数が少なくて済むために短い字数で表示されて、読みやすくなっている。
 このように日本語は、表意文字の絵と、表音文字の音の両方のいいところを取ってきた言語になったことにより、世界で最も読書に向いた言語になった。
 もちろんラテン語のギリシャ語も英語も日本語の文章に取り入れている。今や歌詞には、日本語と英語のチャンポンである。
 特に、漢字を使う日本語の会話の欠点である同音異義を避けるために外国語(英語)を日本語にそのまま片仮名表示で用いて、使うことが多くなっている。
 
 ユダヤ人は、ユダヤ教を読むことが基本であるために、膨大なユダヤ教聖書を何度も読んで憶えるので、読書が世界一多い宗教になっている。ノーベル賞の授賞者が飛びぬけて多いことも聖書を憶えるほど読むこととも関係しているのかも。


ラテン語と漢字圏の日本語及び文明の興亡
http://42646394.at.webry.info/201403/article_1.html

2014.09.12改版
2014.10.22追加

この記事へのコメント

2014年12月16日 18:46
×ずらい
○づらい
読み+辛(つら)い→よみづらい

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